『まだらの紐』を読んだ感想をご紹介します。
感想のほかにも、読んでいて気になったことや知りたいことについても、お話します♪
なお、小説のあらすじや登場人物について知りた場合は、こちらの記事を参考にしてください。
⇒『まだらの紐』のあらすじ!ネタバレもチェック
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『まだらの紐』というタイトルから興味津々でしたが、まさかそれが蛇のことを表現しているとは、夢にも思いませんでした!
スリル満点の結末。
誰がまだらの紐=蛇と予想したでしょうか。
ジュリアがなぜ「まだらの紐!」と叫んだのか、本当にわからなくて、そして知りたくて。
そして、ホームズが何をスティックで打っているのかも。
種明かしされるまで、ウズウズさせられました。
頭が働く博士らしい殺害方法、インドから取り寄せたという毒蛇。
そして、蛇の侵入経路。
すべてが点と線でつながる展開に、「さすが」の一言です。
博士が毒蛇に噛まれて絶命する、という最後はけっこう衝撃的でしたよね。
ロイロット博士がへし曲げた火かき棒を拾い上げて真っ直ぐに戻したホームズ並にびっくりしました(暖炉に放り込んだのに、それを取り上げ、さらに真っ直ぐにするなんてすごい!)。
ちなみに、ヘレンやジュリアが聞いたという口笛は、博士が毒蛇を呼び戻す際の合図でした。
細かい仕込みがたくさんあって、最高に満足しました!
また、緊張感が漂う中、ヒヒを登場させたのは、本当に絶妙的なタイミング。
歯ブラシを持っていく目的は?と勘ぐっていましたが、単に宿泊するから、という理由のようですね。出てこなかったから(笑)。
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小説の中に登場した「なんだろう?」と思ったことについて、調べてみました。
ロイロット博士について情報を収集するために、ホームズはドクターズコモンズにでかけました。
このドクターズコモンズとは、コモン・ローの弁護士たちで構成されている会で、「民法博士会」または「民法博士会館」と約されます。ドクターズコモンズが設立されたのには諸説がありますが、15世紀にはすでにあったとする説もあります。
ドクターズコモンズは、時代とともに勢いを失い、1865年7月10日に実施された最後の会議をもって解散したと言われています。
ウィリアム・パーマー(William Palmer)は、英国スタッフォードシャーにあるルージリー出身の医師。
私欲や保険金目当てに義母や妻ら身内を次々と毒殺し、ついには我が子にも手をかけました(殺害したのは14名とも言われています)。
パーマーは、ジョン・クックという友人を毒殺した疑いで逮捕され、死刑判決を受けました。
そして、1856年6月14日、およそ3万人の大衆が見守る中、絞首刑に処されたということです。
エドワード・ウィリアム・プリチャード(Edward William Pritchard)は、ハンプシャーにあるサウスシー出身の医師。
1863年、家族と共にグラスゴーに移動し、開業しました。
1865年に義母と妻を殺害、1863年に発生した、火災による女中の死も、プリチャードの仕業と考えられています(死亡した女中は、プリチャードの子供を身ごもっていました)。
検事のもとに匿名の手紙が送られたことによって、プリチャードの義母と妻の死に事件性が浮上。
掘り起こした遺体からは、アンチモンが検出されました。
プリチャードは2人の殺害で死刑判決を受け、1865年7月28日、約10万人の大衆が見守る中、絞首刑に処されました。
なお、プリチャードが処刑された後、グラスゴーでは公開処刑が廃止されたということです。