ブラック・ピーター感想

 

『ブラック・ピーター』を読んだ感想をご紹介します。

 

今回は、ブラック・ピーターの異名を持つ船長の死を巡るミステリー!

 

感想のほかにも、読んでいて気になったことや知りたいことについても、お話します♪

 

なお、小説のあらすじや登場人物について知りた場合は、こちらの記事を参考にしてください。
『ブラック・ピーター』のあらすじ!ネタバレもチェック

 

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『ブラック・ピーター』感想

今回も安定しておもしろかった。

 

そんなストーリーでした。

 

 

冒頭では、ホームズがノリノリ時期であることが、生き生きと描かれていていました。
ホームズとワトスンの会話を聞いていると、その場面が頭の中に想像できちゃうんですよね。

 

これがドイルさんのすごいところだと思います。

 

 

ややもすると、犯人にフィットしそうな人が被害者で、これがなおさらミステリーを誘いましたよね。

 

お父さんの消息を探しに元船長に接触しようとして犯人と間違えられたネリガン青年や、自分の力で事件を解決したと思い違いをしていたホプキンズ警部など、個性豊かなキャラが脇を固めていたのも、良かったです。

 

 

犯人は最後までわかりませんでしたよね。
ポッと現れて、「へ、この人?」って感じでした。

 

でも、事件の裏を聞くと船長時代からのつながりがあり、「なるほどな~」と納得。

 

ホームズさん、今日もお手柄でしたね~。

 

 

隠れ家5つ!

ロンドン市内に隠れ家を持っているというホームズ。
全然知らなかったので、かなり意外でした。

 

何のためにっていうのは、ストーリーの後の方で出てきましたね。
2歩も3歩も先を歩いているという感じです。
さっすがホームズ!

 

 

笑えたセリフ

ホプキンズ警部はネリガン青年を犯人と確信し、自身を持って逮捕しましたが、ホームズは「ネリガン青年は犯人ではない」ことを、理路整然と説明した場面がありました。

 

そのセリフの中で、笑えた部分を引用します。

 

…今回の現場では、銛の先端が勢い余って壁にめりこむほどの力が働いてるんだ。あのなよなよした、貧血性の青年に、そんなすさまじい荒療治がやれると思うのかね?夜の夜中に、ピーター・ケアリーのような荒くれ男と、あの青年がラム酒を酌みかわし、歓談してる図なんて、想像できるかね?
アーサー・コナン・ドイル.シャーロック・ホームズの復活【新訳版】シャーロック・ホームズ・シリーズ(創元推理文庫)(KindleLocations3617-3620)

 

ひょろっとしたネリガン青年と、荒くれ船長が酒を飲んでいる場面を想像したら、くすくす笑えて仕方なかったです。

 

そして、その場の状況を生き生きと頭の中に描けるような、見事な描写だと思いました!

 

 

訳文でもこうなのだから、原文読んだらもっと面白いんでしょうね~。

 

ホームの説明を聞いたホプキンズ警部のがっくりした様子も想像して、さらに笑ってしまいました(笑)

 

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『ブラック・ピーター』豆知識

小説を読んでいて、知りたいこと・気になったことについてご紹介します。

 

サセックス州フォレスト・ロウ

事件の舞台、そしてケアリー元船長が住んでいたというフォレスト・ロウは、実在する地名です。
フォレスト・ロウは、イングランド南東部サセックス州にある村で、名前は王室の狩猟公園として13世紀に誕生したアッシュダウン・フォレストが由来です。

 

 

フォレスト・ロウの知名度を上げたエピソードはもう一つあります。

 

それは、米国第35代大統領ジョン・F・ケネディが、訪れたことです。

 

1963年6月、イギリスを訪問したケネディ大統領は、ハロルド・マクミラン首相(当時)の自宅であるバーチ・グローブに滞在していました。

 

バーチ・グローブとフォレスト・ロウは、車で10分程の距離にあります。

 

フォレスト・ロウに訪れたケネディ大統領は、フォレスト・ロウにあるローマカトリック教会のミサに参加したということです。

 

 

カナダ太平洋鉄道

手帳に書かれてあったイニシャルを解読している時、ホームズが「カナダ太平洋鉄道(Canadian Pacific Railway)」と読むことを提案しましたが、カナダ太平洋鉄道とは、カナダにある一般鉄道のこと。

 

大西洋から太平洋にかけて走っていることから、この名前がつけられました。

 

1881年に運行が始まり、現在も旅客列車や貨物列車が運行しています。

 

長い歴史のある鉄道ですね。
コナン・ドイルが見てきた鉄道が今も残っているというのは感慨深いです!

 

 

ベイジル

ホームズの通名。

 

ホームズが通名を持っていたなんて、初耳ですが、もっと驚いたのはベイジル・ラスボーンという役者がホームズを演じていたこと。

 

有名な人なんで、ホームズファンなら知っているかもしれませんね。

 

 

ベイジル・ラスボーン(1892~1967)
『ブラック・ピーター』感想と豆知識

 

南アフリカにあるヨハネスブルグ出身のイギリス人で、米国で知名度を上げた俳優です。

 

シャーロック・ホームズに初めて扮したのは1939年の映画『バスカヴィル家の犬』。ワトスン役は親友でもあったナイジェル・ブルースでした。
2人のコンビは人気を博し1946年まで共演したということです。

 

 

ラスボーン版シャーロック・ホームズの映画を見つけました。
長い動画ですが、よろしかったらどうぞ。

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