『ボスコム渓谷の惨劇』を読み終えました!
イギリスの片田舎で起きた不可解な事件。
容疑者は容疑者ではないかもしれない、「じゃあ誰が犯人?」という謎。
ついつい先を読み進めたくなるワクワク感が続く作品です!
『ボスコム渓谷の惨劇』のあらすじやネタバレについては⇒こちら
それでは作品の感想ご紹介します♪
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他のシャーロック・ホームズ小説と構成や展開が似ている部分もあるのですが、やっぱりワクワクさせられるんですよね~。
犯人がわかった時点で「ああ~」と妙に納得するのですが、それまではやる心を抑えるのが大変でした。
ワトスンが結婚してホームズと別々に暮らしている冒頭から始まりました。
ほんの数行の描写でしたが、ワトスンと奥さんとのやりとりも良かったです。
「ホームズと仕事をすれば気分転換になっていい」なんて、奥さん分かってますよね、ワトスンのこと。
チャールズが逮捕された時、「レストレード警部は犯人を逮捕した、事件解決だ~」と意気揚々として、ホームズの疑いには的外れみたいな態度をとっていましたが、レストレード警部のキャラが良く描かれていました。
好きですね~、こういうキャラ。
こういうちょっとおとぼけ系のキャラがいると、物語が盛り上がりますよね!
事件解決の決め手は、ホームズの細部にわたる現場検証でした。
この現場検証しているシーンの描写が本当に生き生きと描かれていて、すごく好きです。
もう、目の前で生きている人を描写しているような、生々しさが伝わってきました。
ここが一番ドキドキしたシーンかもしれません。
昔の推理小説は科学的でないのであまり好きではないのですが、シャーロック・ホームズは別格ですね~。
ホームズからの電報を受け取り、待ち合わせ場所に向かったワトスン。
そして、ワトスンの顔を見たホームズは、嬉しそうに声をかけました。
「やあワトスン、ありがたい、よくきてくれた」と言う。「心から信頼できる友人がそばにいてくれるかどうかで、ぼくの気持ちには天と地ほどのひらきが出てくる。
アーサー・コナン・ドイル.シャーロック・ホームズの冒険【新訳版】シャーロック・ホームズ・シリーズ(創元推理文庫)(KindleLocations1713-1714).株式会社東京創元社.KindleEdition.
これは意外(?)でした。
だって、ワトスンがいようがいまいが、興味のある方向に盲目的に突き進むイメージがあったから。
へー、ワトスンがそばにいると心強さを感じるんだ。
やっぱりホームズも"人"なのね~。
かわいい♪
ワトスンのひげの剃り跡からホームズが、ワトスン家の間取りを推理したわけですが、ホームズの洞察力がうかがえた場面でした。
今更ですが
よーく観察しているね、ホームズは。
最後の方でホームズは犯人に対して情けをかけていましたが、人から盗んだお金で裕福な暮らしをしていた被害者も被害者だよなーという気持ちがくすぶっていたので、被害者にはあまり同情できなかったかな。
しかし、総合的には面白かったです!
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小説内で登場した地名など、気になることについて調べてみました。
事件の舞台となったヘレフォードシャーは、実在する地域です。
イングランド西部、ウェールズに隣接していて、農村が点在しているようなのどかな場所のようです。
今回の物語は、こうした風景から思いついたのかもしれませんね。
ヘレフォードシャーの見どころは、広がる田園地帯や古い建物。
ヘレフォードシャー大聖堂をはじめ、かつてマーケットホールとして利用されていたレッドベリーやレミンスターなどが有名です。
ボスコム谷の近く、そしてマッカーシーが出かけた「ロスという町」は、おそらくロス・オン・ワイのことだと思います。
ウェールズと目の鼻の先にある、レッド・サンド・ストーンの建物が特徴的な小さな町です。
で、肝心のボスコム谷ですが、これはドイルさんが創作した架空の谷のようですね。
イギリスの南、イギリス海峡に接するところに"Boscombe"と、同じ名前の地域はありますが、ヘレフォードシャー周辺には見かけられません。
『緋色の研究』は、シャーロック・ホームズ小説の第1作として有名です。
レストレード警部の紹介に、このくだりを用いるのは面白いな、と思いました。