『踊る人形』について

『踊る人形』は短編小説で、ホームズシリーズの中では27番目にあたります。
イギリスでは1903年12月号の『ストランド・マガジン』で、アメリカでは1903年12月5月号の『コリアーズ・ウィークリー』に掲載されました。

 

暗号を読み解くという推理小説ならではの展開ですが、踊る人形という特徴的な暗号が登場することがインパクト大。
その踊る人形も子供の落書きのような可愛さがあることも、印象に残る一因かもしれませんね。

 

『踊る人形』の原題は"The Adventure of the Dancing Men"ですが、直訳「踊る男たちの冒険」だったら読む気が半減しそうですね(苦笑)。
仮に「踊る人形たちの冒険」にしたとしてもやっぱり「なんだかな」ってなってしまいます。「踊る人形」がしっくりくる!

 

それでは作品のあらすじからご紹介しますね。

 

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『踊る人形』あらすじ

踊る人形のあらすじと登場人物、ネタバレも

出典

 

ホームズのもとに小さな人形がずらりと描かれた絵が送られてくる。
送り主はノーフォーク州リドリング・ソープ在住のヒルトン・キュービットという紳士からで、ホームズのもとを訪れたヒルトンによると、その落書きのような絵を見た彼の妻は、ひどく怯えているというのだ。

 

ヒルトンはロンドンで知り合ったエルシー・パトリックと5年前に結婚、以来リドリング・ソープに2人で暮らしている。
結婚前エルシーはヒルトンに自分の過去を詮索しないように釘を差し、ヒルトンもこれまで約束を守ってきた。

 

1週間前の火曜日、ヒルトンは家の窓に人形の落書きを見つけた。ヒルトンは落書きを消したが、後日庭の日時計に人形が描かれていた。そのことを妻に伝えると、彼女はひどく動揺したという。
何者かによって描かれた踊る人形は単なる落書きではなく、メッセージと受け取ったホームズは、ヒルトンに今後踊る人形を見つけたら記録するように告げた。

 

2週間後ヒルトンは再びベーカー街を訪れて、ホームズとワトスンに新しく描かれた人形の写しを見せながら近況を伝えた。

 

ヒルトンが去った後人形の写しを念入りに調べていたホームズは、メッセージについて新たな発見をしたとキュービットに電報を打ち、ノーフォーク行きを検討する。
2日後にヒルトンからホームズのもとに、新たに発見したという日時計に描かれた絵の写しが添えられた手紙が届いた。その手紙を食い入るように見つめていたホームズは、事件が急展開を見せていることに気づき、ワトスンとともに慌ただしくノーフォークに向かった。

 

ホームズとワトスンがリドリング・ソープに到着した時はすでに遅く、2人は駅でヒルトン家で銃撃事件が発生していたことを知る。
ヒルトンとエルシーが凶弾に倒れ、ヒルトンは死亡、エルシーは瀕死の重体というのだ。駅員の話によるとエルシーがヒルトンを撃った後自殺を図ったというが、現場を念入りに調べていたホームズは窓枠に残っている弾痕を発見、第3者の存在が浮上する。

 

ヒルトンの屋敷周辺を捜索していたホームズ、ワトスン、マーティン警部の3人は、犯人のものと見られる足跡と薬莢を発見する。
この発見で自分の推理が的を得ていると確信したホームズは、「エルリッジ農場」の場所を知っているという少年にホームズはある人物に渡すよう手紙をもたせる。

 

そしてホームズの思惑通り、後日屋敷に一人の男が訪ねてきた…

 

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『踊る人形』登場人物

  • シャーロック・ホームズ・・・探偵のコンサルタント
  • ジョン・H・ワトスン・・・ホームズの相棒で医師
  •  

  • マーティン警部
  •  

  • ヒルトン・キュービット・・・踊る人形の依頼人
  • エルシー・パトリック・・・ヒルトンの妻
  • サンダース・・・キュービット家の家政婦
  • キング・・・キュービット家の調理人
  •  

  • エイブ・スレイニー・・・エルシーの元婚約者
  • パトリック・・・エルシーの父親

『踊る人形』ネタバレ

注意 ここからはネタバレになります。ご注意!

 

犯人はエイブ・スレイニー。
シカゴの大悪党として名を馳せ、エルシーと婚約していましたが、エルシーは悪党生活に疲れ、エイブから逃げるようにイギリスに渡ってしまいました。
エルシーを忘れることができずアメリカから彼女を追ってイギリスにやってきたエイブ。エルシーがイギリス人と結婚した事実を知りますが、それでもエルシーを諦めることができず、彼女を説得してアメリカに連れ帰るため「踊る人形」を使ってメッセージを送り始めたのでした。

 

説得が失敗したことがわかるとエイブは脅迫まがいのメッセージをエルシーに送りつけ、ついに屋敷に乗り込みます。
そこでヒルトンと争いになり、放った弾がヒルトンの心臓に命中し、ヒルトンは命を落とします。エイブは逃げ出しますが、エルシーはその後自殺を図りました。

 

踊る人形は英語のアルファベットを示しているのでは、と気づいたホームズ。
異なる人形の絵柄を推理によってアルファベットと符合させていったホームズは、エイブ・スレイニーという人物が、エルシーに送っていたメッセージということに気づいたのです。
エルリッジ農場はエイブが滞在していた場所で、ホームズはエイブを屋敷におびき寄せるため、エルシーを装って手紙を書きました。

 

エルリッジ農場に滞在していたエイブは手紙を読み、ホームズの目論見通り屋敷に現れますが、待ち受けていたマーティン警部らに御用となり、犯行を自供しました。
その後行われた裁判でエルブは懲役刑を受けます。

 

エイブはエルシーが自ら銃の引き金を引いて自殺を図ったことを知らず、すっかり無事だと思っていました。だから手紙を彼女が書いたものとすっかり信じてしまったわけです。しかも手紙は踊る人形の暗号文。昏睡状態だったエルシーはその後回復し、貧しい人の救済に貢献する人生を送ったということです。

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