『ギリシャ語通訳』は、シャーロック・ホームズ・シリーズ短編小説の中で、22番めに発表されました。
最初に登場したのは、1893年9月に発刊されたの『ストランド・マガジン』(英国)で、現在は『シャーロック・ホームズの思い出』に収録されています。
ギリシャ語通訳と事件?
どんな関連性があるのか気になります!
この記事では、『ギリシャ語通訳』のあらすじと、登場人物、そしてネタバレについてご紹介します。
スポンサードリンク
それまで身内や親しい友人の話を一切したことのなかったホームズが、突然ワトソンに実兄について話をし始めた。
マイクロフトは、ホームズよりも7歳年上で、政府機関のとある部局で、会計監査の仕事をしている。また、ディオゲネス・クラブという、変わり者たちが集まるクラブの会員でもある。いつも同じ時間帯に顔を出し、ちょうどクラブにいる時間だからと、ホームズはワトスンを連れてクラブへと向かった。
ディオゲネスクラブに到着した二人。
中に入り、兄を探しにその場を離れたホームズをワトスンが待っていると、やがてマイクロフトらしき人物とともにホームズが現れた。
「人間観察」で盛り上がる兄弟に、ワトスンは気後れする。
マイクロフトがある事件について、ホームズに相談を持ちかけた。
事件の出どころはマイクロフトの階上に住んでいるメラス氏で、ギリシア生まれの彼は、イギリスで通訳の仕事をしている。
ある月曜日の夜、メラス氏のもとに、ラティマーという青年が現れた。
青年から、英語が話せないギリシア人の友人の通訳を依頼されたメラス氏は、青年とともに辻馬車に乗り込んだ。
しかし、辻馬車はケンジントンとは別の方向に進み、メラス氏は、自分が拉致されたことに気づく。
見知らぬ家に到着したメラス氏は、猫背の中年男に案内されて、一人老紳士の通訳を強要された。
老紳士は顔中を絆創膏で覆われ、憔悴した様子だった。
メラス氏は、中年男の質問をギリシア語に訳し、老紳士の答を英語で中年男に伝えた。
老紳士の出身がアテネであることまで聞き出した時、一人の女性が部屋に入ってくる。
老紳士は別の部屋に連れて行かれ、メラス氏は中年男から報酬をもらい、帰途についた。
ベーカー街にもどったホームズとワトスンは、先に到着していたマイクロフトに驚かされる。
マイクロフトによると、先日新聞に出した クラディスとソフィーに関する情報を募集する広告に、返事があったというのだ。
返事によると、ソフィーはベカナムのマートルズ荘に滞在している。
返事の差出人の名前は「J.ダヴェンポート」で、住所はロウワー・ブリングストン。
マイクロフトは、ベカナムへ行くようホームズに提案するが、ホームズは老紳士を助けるほうが先だと言った。
そして、メラス氏を通訳として同伴させようと、メラス氏のもとを訪れるが、「小柄な紳士」とともにでかけた後っだった。
スポンサードリンク
犯人は、ハロルド・ラティマーと、ウィルスン・ケンプ。
ハロルドは、ギリシアからイギリスに来ていたソフィーと知り合い、二人は駆け落ちを決める。
友人からこの事実を知らされたソフィーの兄は、単独でイギリスを訪れたが、ウィルスンに身柄を拘束され、財産を放棄するよう迫られる。
しかし、パウルスは英語が話せない。そこでウィルスンは、メラス氏を通してパウルスを脅迫したのだった。
新聞広告でメラス氏が約束を破ったことを知ったウィルスンとハロルドは、パウルスとメラス氏を、毒ガスをセットした部屋に閉じ込め、ソフィーとともに姿をくらました。
メラス氏は一命をとりとめたが、パウルスは死亡する。
そして、数カ月後、ハンガリーでウィルスンとハロルドが死亡したと、ホームズは知るのだった。