『ブラック・ピーター』は、シャーロック・ホームズ・シリーズの30番目の作品。
初めて登場したのは、1904年3月号の『ストランド・マガジン』で、『シャーロック・ホームズの帰還』に収録されたのは1905年です。
個人的に「ブラック・ピーター」という響きには、可愛らしさを感じるのですが、荒くれ船長のことを指しているんですよね(苦笑)。
やっぱり「次どうなるんだろう~」ってやっぱりドキドキしながら読んでしまうほど、スリリングな内容でした。
それでは、『ブラック・ピーター』のあらすじにいってみましょう~。
かつてシー・ユニコーン号の船長として活躍したピーター・ケアリーが、自宅で遺体となって発見された。
スタンリー・ホブキンズ警部によると、ケアリーは、船乗りをやめてフォレスト・ロウ付近の土地を買い、静かに暮らしていた。
しかし、1週間ほど前に亡くなってしまったのだった。
彼が周囲から「ブラック・ピーター」と呼ばれているのは、酒を飲むと暴力的な性格に豹変することが由来である。
ピーター・ケアリーは、「船室(キャビン)」と呼んでいた離れにこもることが多く、事件が発生する2日前にも、スレーターという石工に目撃されている。しかし、スレーターの話によると、窓に映っていたシルエットは、ケアリーではない人物だったと主張した。
事件前夜、ケアリーは泥酔し大暴れした後キャビンに戻り、次の日の朝遺体となって発見された。ケアリーの胸部には銛が突き刺さっていた。ホプキンスが調べた限りでは、犯人の足跡は発見されていない。
事件現場の状況をホームズに伝えたホプキンスは、古びた手帳を取り出してテーブルに置いた。
ホームズはそれを調べ、手帳に記されていた"J.H.N.”の頭文字を株式仲買人の頭文字"C.P.R."に置き換え、「カナダ太平洋鉄道(CPR:Canada Pacific Railway)」と解読した。
ホプキンスから現場の事情を聞いたホームズは興味を示し、ワトスンとともにフォレスト・ロウへ向かった。
事件現場となった小屋のドアを開けようとしたホプキンスは、何者かがドアをこじ開けようとした形跡を発見する。窓にも似たような傷があったが、どちらも事件発生後につけられたものだ。
小屋の中に入り、室内をくまなく調べていたホームズは、棚から持ち去られたものがあることに気づく。
外に出た3人は茂みの中に隠れ、"侵入者"を待つことにした。
やがて漆黒の闇から錠前をあける音が聞こえ、何者かが小屋に侵入する…
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犯人は、パトリック・ケアンズ。
ピーター・ケアリーが船長を務めていた時、同じシー・ユニコーン号に乗船していた二番手の銛手。
ある日、流されてきた船に乗っていた人物(ドースン・アンド・ネリガン)を助けた。
ケアリーはその人物が持っていたブリキの箱を手に入れるため、彼を海に突き落とす。
その後ケアンズは、ブリキの箱の中に入っていたのは、金目のものと予測し、引退したケアリーを見つけ出した。
小屋を訪れたケアンズは、ブリキの箱の中身の分け前を与ろうと、ケアリーと話をつける。
最初は気前よく対応したケアリーだったが、約束の2日後にケアンズがやってくると、態度は180度変わっていた。
酔っ払っていたケアリーは、ケアンズに毒づき、ナイフで襲いかかってきた。
そして、ケアンズは壁にかかっていた銛でケアリーを一突きし、ブリキの箱とともに部屋を後にする。
ブリキの箱の中には金目のものはなく、お金に困ったケアンズは、ホームズの募集に応募した。
ホプキンズ警部は、ホームズの推理力に感服し、お礼を言う。
ホームズは、ジョン・ホプリー・ネリガンの釈放と、ブリキの箱を彼に返すようホプキンズ警部に伝える。